December 04, 2008

ものをつくる仕事―うのはな農園のりんごー(第5,6時)

2日、社会科現地学習として市内松永地区のうのはな農園を訪ねた。北陸地方の気象条件を考えると、師走に入ってからの見学はかなり無理があるとも思われた。しかし、当日は、よい天気に恵まれ、最高のりんご園の見学となった。

まずは、りんご畑を見学した。収穫時期も終盤にさしかかっていたが、まだ数本のりんごの木にはたくさんのりんごがなっていた。多くの子どもたちは、枝に付いたりんごを見るは初めてで、ちょっと興奮気味だった。うのはな農園のAさんが、りんごの栽培について木になっているりんご示しながら説明してくださった。例えば、第4時の授業で子どもたちが気になった「玉回し」について、
「りんごは日光を受けるとより赤くなる。全体を赤くするために、りんごを回転させて表面すべてに日光があたるようにする。」
と教えてくださった。また、りんごの摘みの体験もさせてくださった。
「りんごを摘むときは、力を入れて下に引っ張るのではなく、りんごを持って上の方に回しながら持ち上げる。すると、簡単にとれますよ。」
と説明しながら実演してくださった。Aさんの様子を見て、「そんなに簡単にりんごがとれるんだ」とみんな驚いた。Ringotumiそして、実際に自分たちがやってみると、全く力を使わずにりんごが枝から離れた。この驚きは感動に変わった。子どもたちは、見るだけではなく実際に収穫作業をすることで、よりりんごについて興味を深めたと思う。
Cimg4738次に、加工品を作り販売をしている施設へ移動し見学した。そこでは、りんごを重さ別に分ける機械と店内を見せてもらった。りんごが重さによって見事に仕分けされている様子に子どもたちは驚いた。また、りんごの以外に、ジュースやジャムの他にも、ケーキ、パイなどのおいしそうな品物がたくさんあり、子どもたちは喜んでいた。
りんごとケーキを試食させていただいたあと、最後に質問をさせていただいた。
「りんごの収穫量が増えたのはなぜですか?」
「平成14年度と16年は減っているのはなぜですか?」
「りんごづくりのために土地の高いところを選ばれたのですか?」
など、資料を基に事前に学習した収穫量や土地の高さのことについて質問をした。Aさんからは、
・りんごの木が大きくなったので収穫量が増えたが、台風が来た年は収穫量が落ちた
・高い土地を選んだわけではないが、寒暖の差が大きいことがよいのでりんごを米の代わり栽培するようになった
などと説明しくださった。

今回の見学では、木になっているりんごを見たり、そのりんごを味わったりして興味関心を高めるだけではなく、事前に資料を使って学習したことを基にした課題を解決するための情報収集ができた。「見学をする際には、子どもたちに目的意識をもたせる」ということが社会科の授業では大切だとされる。初めて社会科を習う3年生には、そのことは難しいと考えていた。しかし、まずは体験的に事象を提示して学習課題をつくり、社会的事象がわかる具体的な資料を基に順序よく学習をして知識を増やすという基本的な学習スタイルで学ばせることで、子どもたちに見学の目的意識や視点などもたせることができるとわかった。これはりんご栽培と同じで、適切な世話(指導)を重ねて実(思考)が熟すのを待って収穫(見学)することがポイントだと思った。また、今回のような収穫体験は、感動となって子どもたちの心に残り今後の社会科学習への興味関心を持ち続けるチャンスになる。そういう意味でも、社会科1年生である3年生で体験を重視した指導を行うことは極めて重要なのだと改めて思った。

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December 03, 2008

大学院(12/3)

3日、午後から大学へ行かせていただいた。今、執筆中の第5章の原稿を仕上げ、高橋先生に見ていただこうと思っていた。部分的に書いた下書きがあったので、時間をかけずに5章全体が仕上がると思っていた。しかし、前後のつながりや言葉の統一、図表の修正などに思った以上に時間がかかり、結局は完成せず、高橋先生に指導していただくことができなった。残り1か月を切り、また自分で自分を苦しめたと反省した。

夕方、高橋先生の所へお客さんがいらっしゃった。せっかくの機会ということで、学生さんたちに混ざってぼくもお話を聞かせていただいた。その方は、組織の指導的な立場である。ぼくは、その方の様々な経験に裏付けられた貴重なお話を伺い、たくさんのことを学ぶことができた。
・プロとして結果を残す
・個に応じて指導の仕方を考える
・物事を始める3年前から考えぬき、ぶれない考え(理念)をもつ
・自分の腕を磨くために、(自らの方法で)ずっと勉強し続ける
・嘘をつかないなど人として当たり前のことをちゃんとやる
また、その方から「『今日のみやくん』見ています」と言われ、とても驚き、また光栄にも思った。

高橋研究室に通わせていただくことで、仕事や普段の生活では味わえない体験ができる。ぼくにとっては、高橋研究室が、正に「よのなか科」なのである。これまでに得難い体験から学ばさせていただいたことを、いろいろな形でできるだけ多くの人に伝えていけるとよいと思う。

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December 02, 2008

東京への家族旅行(その1)

先月、休日を利用して家族で東京へ旅行した。毎年行っている夏休みの旅行が親戚の不幸のためキャンセルになったので、改めて秋に行くことにした。
Cimg3744今回のメインは、劇団四季の『ライオンキング』を観ることだった。ぼくは、一度このミュージカルを観たことがある。とても感動したので、是非、家族にも観せたいと以前からずっと思っていた。浜松町にある劇団四季のホールには、大勢の人が詰めかけていた。その様子からロングランを続けるこのミュージカルの人気がよくわかった。

演劇が始まったとたん、会場全てが、一瞬にして大草原にある動物の世界へと移動したかのような錯覚を味わった。ステージの上には“のっぽのキリン”が現れ、客席の通路は“巨大なゾウ”が現れた。そして、ライオンが支配する動物の王国の様子が、多くのアクターの衣装と演技で見事に表現され物語がスタートした。
ぼくは、二度目のこのミュージカルを見て、
・ストーリーは同じだが、前回と違う場面や表現がありリピーターに新たな感動を与えていた
・格好よい役やおもしろい役、悪役など、今回も一つ一つの役の特徴を見事に演じきっていた
・歌や踊りがうまく、迫力があった
・専用の劇場を使うことで多様な仕掛けを使い、演出の効果を上げていた
・何度も何度もカーテンコールし、最後までお客さんを楽しませていた
という感想をもち、客席を常に埋めるために様々な努力がなされていることがよくわかった。

演技を終わってから家族に感想を尋ねると、妻はもちろん、60代の母親も10代の息子も感動し満足してくれた。その興奮冷めやらぬ様子を見て、『ライオンキング』を観にきた甲斐があったと安堵した。せっかくの旅行では、本物を味わいたいといつも思っている。今回も、よい舞台芸術を家族で楽しむことができたので、目標の一つを達成することができたと思った。

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December 01, 2008

ものをつくる仕事―うのはな農園のりんごー(第4時)

Unohana41日、ものをつくる仕事の第4時の授業を行った。ねらいは、うのはな農園のりんごづくりに関する3つの資料を読み取り、見学での視点をもつことである。提示した資料は、年間収穫量のグラフ一年間の仕事内容の図、そして、販売先の割合のグラフで、いずれも自作である。

子どもたちは3つの資料から、
・収穫量がどんどん増えている
・平成17年から急に増えている
・平成14年や16年は前の年より収穫量が減っている
・収穫時期は10月~12月までの3カ月間である
・摘果を3回も行っている
・「玉回し」という仕事もある
・販売先は、販売所で売るのと宅配が多く、2番目がAコープの「地産地消」コーナーである
・イベントにも100個中20個は持って行っている
などの事実をつかんだ。
そして、その事実から、
「なぜ、平成18年には38トン、19年には50トンと収穫量が増えたのか?」
「なぜ、収穫量が減った年があるのか?」
「なぜ、摘果を3回したり、玉回しをしたりするのか?」
といった質問を考えた。
うのはな農園の方からこれらの質問の答えを聞くことで、りんごの栽培・収穫・販売という仕事の工夫や、農家の方の願いに気付くことになると思われる。また、「うのはな農園では、りんごの他にも何かつくっているのですか?」といった質問をする子どもがいれば、米作りとの関連についても考える学習へと発展することが期待できる。

Cimg4557十分に見学の視点をもたせたとは言えないが、見学前の学習を充実させたことで、前回のスーパーマーケットの見学よりも深い情報を手に入れてきてくれるのではないかと思っている。また、この授業から、グラフや図といった資料から1つ1つの事実を読み取り、社会的事象について考えていくという学習方法を指導していくことの大切さも感じた。

※前の授業は、ここここ

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November 30, 2008

2つの行動目標

先日、人間ドックにいった。自分の体形と生活習慣から考えてよい結果が望めないと思っていたが、実際の数字を見て、その状況の悪さを驚いた。

検診の結果、生活習慣を改善するために、2つの行動目標を設定し、継続的に行うことになった。具体的には、
①昼食の量と減らすこと
②10分間歩行すること

である。毎日続ける自信はなかったが、“自分の健康を維持するために最低限行うべきこと”だと思って、その日から即取り組むことにした。

やり始めて1週間、2つの行動目標とも順調に実施できている。夕食も最初に野菜を食べるようにしている。「継続こそ力なり」なので、この目標も生活習慣の一部になるようにこつこつと努力してみようと思う。

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November 29, 2008

08’11月情報研

29日、富山国際会議場で、11月の情報研も兼ねた「わかる・できる授業の実現のためのICT活用とは-富山市立山室中部小の取り組みからの検討-」というタイトルの研究会が行われた。情報研の皆さんの他、前日の山室中部小の研究会に参加された県外の先生方や企業の方なども参加され、総勢50人という大きな研究会だった。この研究会のねらいは、山室中部小学校の研究の成果を、“校内研修”や“イギリスの教育”という視点から学ぶことだと、ぼくは理解した。山室中部小の笹原先生と北方小の皆川先生、そして横浜国大の野中先生が発表され、高橋先生がコーディネートされた。

Cimg4496笹原先生からは、学習・生活の規律と学力向上のための校内研修のあり方についてお話してくださった。校内研修をデザインするときには、
・機器操作・活用場面・模擬授業・研究授業という4つの段階の研修をスパイラルに行う
・事前研には模擬授業を、事後研にワークショップによるディスカッションを行う
・自由参加のミニ研修を多く行う
・指導案を簡略化し、みんなで追試する
などがポイントになるとわかった。また、全員公開授業という目標に向け、全ての先生方が同じ立場で研修に参加するという環境をつくることで、上記の4つのポイントがさらに活かされるのだと思った。

皆川先生からは、山室中部小の研究のよさを5つの点で教えていただいた。
・大規模校でも全教員が日常的にICT活用している
・生活規律の確立を目的としたICT活用もある
・モジュール学習がシステム化されている
・指導案は、A4一枚の斬新な形式である
・ICT活用を支える細やかな指導技術がある
細やかな指導技術として、音を出さないで立たせるための「座らせ方」や行列をつくらせないための「丸つけの順番」などを、画像を示しながら具体的に紹介してくださった。また、2年半で58回の研究授業をされた北方小での実践から、「5分で自分の授業を説明できるようにする」「ICT活用をメインにしない」「机の上に置く物まで全校で統一する」「学習の成果を残すようにノート指導をする」など、校内研修を通じて教育活動の質を高めるポイントも示してくださった。

野中先生からは、日本とは違うイギリスの教育について以下のようなことを中心に教えていただいた。
・国家の直接的な働きかけで教育の情報化を進めている(カリキュラム、環境整備、管理職研修、コンテンツ・指導計画の提供)
・一斉指導の中で全ての子どもの学力保障をする日本と異なり、個別な指導に重点を置いている(到達割合の重視)

発表された3人の先生や高橋先生のお話を伺い、山室中部小の研究が本当に素晴らしかったことがよくわかった。石動小の英語研究発表会と日が重なったので参加できなかったが、今回の情報研に参加させてもらったことで、山室中部小の校内研修で指導力を高め合うためのポイントを学ぶことができてよかったと思う。

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November 28, 2008

英語活動研究発表会

28日、文部科学省指定の「小学校英語活動等国際理解活動」の拠点校としての英語活動研究発表会が本校で行われた。市内外から小中学校の先生方約70名が参加された。

Cimg4479公開授業は、6年「行ってみたい国を紹介しよう」の単元だった。「I want to go to (国名)」や「I want to see(もの)」という英語表現を使って、実際に自分が行ってみたい国とその理由を国際交流員の方に紹介するという学習である。本時はその3/4時の授業で、2つの英語表現を一斉に練習したあと、2つのゲームを通じて身に付けたり、英語ノートに自分が行きたい国とその理由を記録したりする活動が展開された。担任のH先生と支援講師のN先生の連携がよく、終始和やかな雰囲気の中で、子どもたちが英語表現を使って友達のコミュニケーションを図っていた。
授業を参観して、H先生の緻密な授業づくりが大変勉強になった。
1つ目は授業終了時刻に全ての学習活動がちょうど終わったことである。1つ1つの活動にかかる時間をしっかりと計算され、何度もシミュレーションされたことが伝わってきた。2つ目は適切な意図的指名である。子どもたちの書いている振り返りカードの記述を短時間にしっかりと観察され、次時の学習につながるような考えを他の子どもたちにも広げようとされた明確な意図が伝わってきた。3つ目は先生の服装である。パステル調のオレンジ色は、子どもたちに「明るく楽しい感じ」をもたせたいという配慮があるのではないかと推察された。
研究協議や研究報告の後行われた講演では、関西外国語大学の中嶋洋一先生が、「英語活動の指導する際の大切なことは何か」について体験活動を行ったり考える時間を設けたりして、わかりやすく楽しく教えてくださった。そのお話からぼくは、
文脈の中で言葉を交わし、コミュニケーションを図ることができるように指導する
・身に付けるべきは、“思考する”ためのスキルである
・人間は、習慣の生き物であり、習慣は、「やるか、やらないか」で変えられる
がポイントだと思った。また、小学校教員の長所と短所というお話から、「なぜ、小学校英語活動では、英語専科教員ではなく、担任教員が指導するのか」という素朴な疑問に対する答えのヒントもいただいたように思った。

この2年間、英語活動研究に向け、研究主任のT先生を中心に、本校の先生方は、一生懸命に課題解決に向けそれぞれの立場取り組まれた。その結果、子どもたちは英語に親しむことができたし、先生方は英語活動の授業づくりについてノウハウをもつことができた。その成果が、石動小の特徴の一つとして今後も息づいていくように、さらに指導について考えていきたいと思う。

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November 27, 2008

ものをつくる仕事―うのはな農園のりんごー(第2、3時)

21日と27日に、「ものつくる仕事-うのはな農園のりんご-」の2時と3時の授業を行った。

2時では、「どうしてうのはな農園でつくられるりんごはおいしいのか」という学習課題に対する予想を考えた。子どもたちから、
・「水」「土」「日光」「肥料」といった
 植物を育てる学習や経験から考えた予想
・「農薬などの安全」「新鮮や多種類」など
 「買う人に喜んでもらいたいという願い」
 という“ものを売る仕事”の学習で
 学んだことから考えた予想
・「世話をよくする」「気温」「雨や雪」「土地の高さ」
 「よいりんごだけを育てる(摘果)」
 「近くで作っている」などこの単元で
 学習する内容と関連した予想
が出された。

3時では予想のうち、「土地の高さ」「気温」の2つを扱った。まず、授業の最初に、休日を利用してうのはな農園を訪ねて調べてきた子どもたちに発表させた。写真を提示しながらうのはな農園の場所やりんごがなっている様子、販売されている様子などを上手に説明してくれた。友達の発表を聞いて、子どもたちはりんごを育てているだけではなく、ジュースやケーキなどたくさんの食品をつくっていることもわかったようだ。
Cimg4017次に、「土地の高さ」を知るために、グルーグル・アースを見せ、山の近くにりんご園があることや校区のすぐそばに農園があることを説明した。さらに等高線入りの地図を提示して、海抜40mの高さがあることや線の込み具合からりんご園が緩やかな斜面でつくられていることを説明した。その説明を聞いて、斜面を利用してりんごづくりが行われていることに気づいたようだ。
Cimg4042一方、「気温」を知るために、都道府県別の平均気温とりんごの収穫量が書かれた資料日本地図(白地図)を提示した。そして、平均気温が低い道県に青色をぬり、りんごを収穫している道県にシールを貼る作業をさせた。子どもたちは青くぬられた道県でりんごが収穫されていることに気が付いたようだ。

「土地の高さ」や「気温」は、りんごつくるための要件であって、学習課題の答えには直接結びつかない。しかし、社会科では地形や気候などの自然条件と関連付けて社会事象をとらえる力は必要である。また、そのためのグラフ・表の見方や地図の利用の仕方といったスキルを身に付けることも重要である。単に「等高線とは・・・」と説明するのではなく、「○○を知るためには、等高線を見るとよい」といった学ぶ意味をあわせて教えることで、活用できる知識・技能が身に付くと考えている。子どもたちが楽しそうに地図を使って学習する様子を見ると、社会科という教科そのものへの興味関心も高まってきていると感じられた。

見学の前に、りんごづくりの1年間の仕事を米作りの仕事とあわせて提示し、
・年間を通じてお世話をされていること
・農閑期を利用していること
の2つが理解できるようにもう1度の授業を行う予定である。

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November 26, 2008

大学院(11/26)

26日、午後から大学へ行かせていただいた。今回は、投稿する論文原稿に目途が立ったので、修士論文の執筆に戻った。高橋先生より「結果は、割に書きやすい」と伺っているので、第5章の実証実験から書いている。
この章では、開発した校内研修パッケージが「妥当であるか」「汎用性があるか」を検証するために行った3つの実証実験について、目的、方法、結果・考察、まとめの順で書いている。10月中旬ごろにまとめた実証実験Ⅰ・Ⅲと、11月初旬にまとめた実証実験Ⅱとを合わせるために、目的と各節の小見出しを検討した。

投稿する論文を書くときにも「読み手に興味をもってもらうために小見出しを工夫するように」と助言をいただいている。小見出しは、そこで述べようとしている内容を正確に表した端的な言葉でなければならない。また、各節・項の関係が理解できるような論理性も必要になる。さらに「読んでみようかな」と読み手に感じさせるような印象的な表現も求められている。正確性、論理性、印象的の3つの要素を満たす小見出しを考えるのは難しい。
そこで、まずは、3つの実証実験の結果からどんなことが言えるのかを再検討することから始めた。次に、実証実験の目的に合うように結果をどのように読み取ればよいのかを考えた。3時間ぐらい悩んだが、結果を見直すことにほとんどの時間が費やされ、3つの要素を満たすような小見出しを考えるまでには至らなかった。小見出しを考えるプロット作りは時間がかかるものの、人体で言えば骨格にあたり論文を仕上げるためには重要な作業である。あと1カ月間しかないが、慎重にこの作業を進めたいと思う。

一方、この日は、高橋先生から、授業づくりについて興味深いお話を伺うことができた。そのお話から
・教科書の通りに授業をしても、子どもにとってわかりやすい授業ができるかは、教師の力量に依存する
・子どもたちが授業の中で正しい用語を使えるかは教師の力量にかかわる
・他人の授業を参観した際、授業者の役に立つようなコメントが言えるような確かな「授業の分析力」をつけることで、事後の協議会が効果的なものになる
などを考えた。

研究と授業づくりについてじっくり考える時間をいただいていることに改めて感謝したい。

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November 25, 2008

学ぶ意欲とスキルを育てる(重読)

  小宮一慶氏の『ビジネスマンのための「読書力」養成講座』の読書法を参考にして、2006年9月に読み直しをした市川伸一氏著の『学ぶ意欲とスキルを育てる-今求められている学力向上策-』を再度読み直してみた。改めて読んでみた感想は、
・「こんなこと書いてあったっけ」
・「こういう意味だったのか」
・「あ、思い出した」
である。

  前回はあまりよく理解していなかった「補章 対談 学ぶ意欲を育てる教育とは」をじっくり読み直してみた。
  片岡輝氏との「学びたい気持ちは、どこから生まれるのか」の対談では、学力低下論の中で教授力や教育方法に対する批判が抜け落ちていることの指摘に対して、市川氏は、「教育の中身、質」を高めるために教師が教育方法の工夫することを示唆している。また、「なりたい自己、なれる自己」を広げるために、教師と親だけでなく、地域や社会など、人間関係の力の大切さも述べている。
  一方、和田秀樹氏との「受験と教育改革の動きをめぐって」の対談では、学ぶ意欲の低下に関する市川氏の突っ込んだ意見が述べられていると思った。まずは、「○○校に受かる」といった受験合格そのもの目標する「明確な課題」をもつことの難しさについて、市川氏は、「学習性無気力」(※1)、創造性・表現力の芽を摘むおそれ、自尊心の傷つける可能性の3つを述べている。また、「傾向と対策」といった「過剰最適化」を求めるだけではなく、基本的なスキル(例えば、数学でわからない問題があれば図に書いてみたり思考錯誤をしてみたりする)を身に付けさせることや、「積み上げ型学習」と(総合学習のような)「基礎へ降りていく学び」の両方を行うことの重要性を述べている。
  2つの対談は、1章~5章まで述べてきたことをより現実的・具体的に述べている。特に、和田氏との対談では、議論が進むにつれて、市川氏の話に納得し、聞き役になっていく和田氏の変化が印象的だった。
   
 今後とも、「読み直す」(重読)という読み方を試み、一つでも確かな知識を付け、深く考えていきたいと思う。

※1 自らがコントロールできない不快な刺激にさらされていると、受動的で無気力になってしまう(セリグマンら 1967)

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